デモンズポリス一話 らしきもの

聞いてくれ。俺は田中健太。至って普通の男子中学2年生なんだ。帰宅部で、趣味は漫画とゲーム。友達はほとんどいない。今日は学校で憂鬱なことがあった。いつも変に強気な中二病共にぱしられて、全く学校が憂鬱ったらありゃしない。だからまぁ、ちょっと近所のあまり行かない土手に寄り道したんだよね。そこはほどよく緑があって、川がさらさらながれてて、落ち着くところなんだ。来るのは小学生以来だな。
そしたらなんだ。気がつけば辺りは太陽がなくて薄暗くなってて、俺は墓場みたいなホラーな空気を漂わせている場所に立っていた。地面はぬかるんでいてあまり立っていたくない。何かが腐った臭いがする。そして俺の目の前には、
「ジェアアアアアアアアアアアアア!!!!」
何かが俺の知ってる日本語でも英語でもねぇ奇声を間近であげている。生々しい唾液らしきものの音と匂いそして感触が俺を襲う。は?こいつは何なんだ。見たこともない生き物、いや、怪物だ。キリンなんか比にならないほどの太い首を象の鼻のようにしならせていて、目がなくて、口が180度ばっくり開いていて、体はよくわからないが四足らしく、俺はだいたい160cmほどの身長なんだけど、こいつはスフィンクスぐらいの大きさなんじゃないか。あ、いや、スフィンクスも実際に見たことがないんけど。ちょっと頭がこんがらがりすぎだな!そういやめいせきむっていうやつを最近知ったんだよね。はっきりした夢を見るやつ。夢、そうきっとこれはそれだよ。あっははなーんだ俺は寄り道したとこで寝てしまったのか!我ながら呑気な男だよ。じゃあさっさと目を覚まそう。俺は目をつむった。ほら、目をぎゅっとつむってパッと開いたらこんな黄土色の空が一気に水色の見慣れた空に変わるさ。草の匂いに、小鳥達の楽しい歌声と川のせせらぎが聴こえてくるはずさ!生温かい空気と生物特有の臭いを感じた。さっき見た怪物が大きな口を開けて今まさに俺を捕食しようとしている気がするがきっと気のせいさ!そう思った瞬間、鈍い音が聴こえたと同時に生温かい空気が消えた。そして、さっきの怪物の短い悲鳴が鈍い音とともに途切れ途切れに聴こえる。言うなれば殺人現場を目の当たりにしているかのような悲痛な音が聴こえる。大丈夫大丈夫!ほら、目を開けるとそこに川のせせらぎと豊かな緑が… その怪物が別の怪物に食べられている。乱暴に皮を剥いで、緑色の液体をぶちまけて、グロテスクな音をたててくっちゃくっちゃと食べてた。そいつはゲームでもちらりと見るミノタウロスみたいな怪物だった。頭は牛のようで、禍々しく角が生えている。でも、肉食獣を主張する鋭い牙が何本も見える。二本足で立っていて、筋肉質な体をしている。色まではわからないが、恐ろしい眼をしているのはわかる。さっきの怪物と同じくらい大きい。なけなしの頭で状況を把握していると、その怪物は低い唸り声を漏らしてこっちに目を向けた。目があってしまった。背筋が凍った。怖い。こいつ、食べる気だ。
「う、あぁ…。」
恐怖のあまり、悲鳴すらあげられない。足は今世紀最大の爆笑が発生しているおかげで逃げられない。少しちびったかもしれない。とにかく動けない。そんな状態の俺にめがけて怪物は手を伸ばして来た。そうか、俺は死ぬのか。せめて女の子と話せるようになりたかった。
そう思った瞬間、強い衝撃で俺は後ろに吹っ飛ばされた。


「…ったく、なんでこんなくだらねぇことにパしられんだよ。クソだりぃ。」
馴染みのある日本語がぼそりと聴こえる。ってあれ?俺生きてる!?今度は何が起こったのか把握すべく、うつ伏せのままもう一度なけなしの頭を使う。火薬の匂いがする。それと…人?
「あー、そのジアビーン(家畜)はゴブリン(餓鬼ども)のものでーす。なのでてめえは立派な泥棒です。はい。」
紙か何かをペラペラとなびかせながら気の抜けた声を発している。その人の隣には黒いボロボロの布がぶら下がったカボチャが浮いている。首(?)にはとげつきの首輪が付いている。そしてその人は間違いない、人間だ。ピエロのようなダボッとしたズボンをはいていて、靴と共にでかい銃みたいなものが立っている。さっきの衝撃はその銃のおかげなんだろうか。あと、少しくたびれてるブレザーを着ていて、ウエストポーチをつけてる。右肩に巻かれている大きめの鎖がジャラジャラと金属音をたてている。銀色の髪が月明りで微かに光る。
「と、いうわけで、貴様はデプリ送りだ。覚悟しな。」「♯\&@£+>!!」
その人が紙をぐしゃりと潰して、右手をおろしたとき、また背筋が凍った。その人は人間じゃなかった。



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後書きらしきもの

あのとき授業に出れなかった憤りをぶつけた。
意外と楽しいな!わけわからん話だけど!!文章力とかなさすぎて哀れだなって思ったけど!
知る人ぞ知る、ロイズのお話です。
生温かい目で見てやってください。
それでは。